目的

OSE研究会のリーダである摂南大学の和田教授は「CNCの基本機能とは予め与えられた空間形状情報を制御対象の駆動装置を動かすための制御情報に変換するための1種の情報変換装置である」と述べている(図 1-1)。工作機械はCNCの基本機能に加工作業を行うための種々の支援機能が集約されたものである。図 1-2に示すように従来のCNCはその機能がブラックボックスになっていた。パソコンCNCは情報処理系との融合を実現した第1段階のオープンコントローラであるが、工作機械やCNCとしてのアーキテクチャや標準インタフェースの視点がまだまだ欠落している。

OSE研究会の使命は、コントローラの原点に立ち返って、ネットワークをベースとする将来の生産システムのオープン化のために、産業機械のコントローラのアーキテクチャ及び標準I/Fに関する研究開発を行うことである。そしてその結果として、ユーザの生産環境や目的に応じて産業機械を自由に再構築可能で、保守や保全が容易で、ライフサイクルコストを最小化できる、オープンな生産システム環境を実現することである。

1-1 CNCの基本機能

1-2 従来のCNC