成果と課題

コントローラのオープン化はエンドユーザ・機械メーカ・コントローラベンダ・ソフトウェアベンダ・システムインテグレータなど、それぞれの立場に応じてそれぞれの意義を持っている。エンドユーザにおいては、まず機械導入時イニシャルコストの透明化、機械設備を変更する際の機械を構成するユニット単位の更新によるライフサイクルコストの低減、ユーザ自身による独自なFAシステム設計の実現といった点で、従来の専用CNCによる機械全盛の時代には無かったメリットをもたらす。機械メーカにおいては、CNCを構成する各機能ブロックが部品化しその選択範囲が広がることによって、環境や仕様に合った最適な部品選択が可能になり、部品コストや開発コストの削減につながる。更に独自仕様の機能開発、エンドユーザが要望するFAシステム設計へのオプショナルな対応がより柔軟に実現できる。コントローラベンダにおいても、インタフェース公開とその標準化およびオープンコントローラによる標準的なプラットフォームの確立によって、異業種ソフトウェアベンダの参画がうながされるといったメリットがある。

以上のようなコントローラのオープン化の意義を踏まえ、OSE研究会では4つのワーキンググループを中心にオープンアーキテクチャの詳細について検討し、試作とテストを行ってきたが、この結果OSEC-IIとして以下のような成果を得ることができた。

以上に述べた内容の詳細については、OSEC-IIのドキュメントおよび実証システムの展示会を通じて一般公開することにしている。

一方、現在においても幾つかの克服すべき課題が残されている。

  1. マルチベンダにより提供される機能の組合わせによるシステム不具合、すなわちシステムエンジニアリングの問題については触れられていない。
  2. システムの不具合により事故を引き起す場合の責任の所在、すなわち製造物責任の問題についても触れられていない。
  3. インターネットやイントラネットの応用はシステムリソースへの自由なアクセスを可能にし、CAD/CAM統合や電子商取引きなど多くのメリットをもたらしてくれるが、その反面、外部からの不法侵入などセキュリティに関する問題は解決されていない。

これらは今後の課題であるが、OSECで研究を進めているオープンコントローラのアーキテクチャ化や標準化が解決に貢献するものと考えている。もちろんそのためには、同様の先端技術の標準化に取り組んでいる分散オブジェクト技術のOMG、製品データの標準交換形式のSTEPCALS、そして同じオープンコントローラのOMACOSACAなど幅広い国際的に協調した研究開発作業が不可欠である。