実証システムの概要

このプロジェクトの目的は、あくまでも現時点の技術によって具体的に実現可能なシステムアーキテクチャを作り上げることである。その意味で、これまでに述べたシステムアーキテクチャとインターフェイスを具体的に実装し、技術の実用性と仕様の抜けを確認することは非常に重要である。またCNCPCを使用することで必然的に可能になるべき他のシステムとの組み合わせによる柔軟な運用が実際に可能かどうかも、具体的なシステム構築の過程で確かめることができる。このような目的のために、本プロジェクトでは実際に以下に述べるようなOSEC実証システムを設営した。今後この実証システム構築の経験から、より具体的なオープン化への指針が導き出されるはずである。

実証システムは、以下の各ステーションをローカルネットワークで結合し、さらにそれをインターネットによってワイドネットに開放していくことを行った(図 4-1)。

4-1 実証システムのネットワーク構成

各コントローラの実装は、基本的に図 4-2のような実装モデルに基づいて行われ、各ステーションの実装上の特徴が明らかになるようにした。


4-2 OSEC実装モデルと各ステーションの構成

また、実証システム全体の構成は以下のようになっており、全体としてCADから受け取った部品を加工するためのすべてのプロセスを検討できるようになっている。すなわち、

  1. CADにより作られた同一のパートデータをOSELステーションでステーションABC向けのNCプログラムを作成する。(パスのチェックや簡単なシミュレーションを含む)
  2. 各ステーションはそのプログラムにより加工動作を行う。
  3. 各ステーションの稼働状態をネットワークステーションでモニターし、更にインターネットを経由して遠隔モニタを行う。

以下の節で各ステーションの説明をおこなう。