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商 号 戦略経営研究所(株式会社エス・ケイ・ケイ)
代 表 者 前田勲男
設 立 1990年12月
資 本 金 1000万円
所 在 地 〒160-0004
東京都新宿区四谷2-12-5第6富澤ビル4階
電 話 03-5369-3977 FAX 03-5369-2598
取引 銀行 みずほ銀行 三井住友銀行 UFJ銀行
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「今日の日本における道徳の位置は最も危険である。しかも今の日本において最も切なるものは道徳である。道徳は現実に立って理想を仰ぎ、さらにこの理想を現実化しようとする人間の行動である。人間はほかの動物と違って意識的である。意志的とは与えられた条件から全然独立することではなく、もちろんこの条件に制約されるが、さらにそれに反発しそれを克服し、それ以外それ以上のものたらんとすることによって、新たな現実を作ることである。平たく言えば現下の日本がどうなるかというのではなく、それをどうするかが問題である。今の日本がどうあるかを見極め、これをどうにかせねばならぬ。この現実に立って、理想を求め、それを現実化するという道徳的生活をほかにして人間存在の意味はない。」
(安部能成「剛毅と真実と智慧とを」
『世界』1946年1月号)
敗戦直後に創刊された月刊誌の巻頭を飾った、この意見は半世紀以上経った現在にも当てはまる。それはとりもなおさず、現在が当時に匹敵する混迷の時代であること証であろう。この視点は、現在、日本企業にも強く求められていると思う。
当研究所が発足したのはいわゆる「バブル経済崩壊」の直前の1990年で、以来、激動する社会経済を肌身で感じてきている。気が付いたら、それから約20年が経過しようとしている。周囲の様相も様変わりした。
都心では、超高層ビルが次々と完成し、世界の有名ブランド店が競って新店舗をオープンし、新築マンションはあっという間に完売し、テレビや雑誌で紹介された飲食店の前には長い待ち行列ができ、コンサートなどのイベントもすぐに満員になる。かつて事務所だったところの家賃を聞いたら、当時の倍近い家賃になっていた。昨年のクリスマス、大晦日、そして新年までの街の様子は、かつての「バブル時代」の再来であった。子供の頃からの恒例の赤坂の日枝神社の初詣も大勢の参拝客で溢れていた。
「バブル崩壊」の後遺症などが嘘のように消えてしまったように見える。しかし、華やかなのは都心でもごく一部に過ぎない。ちょっと歩き回れば、シャッターが閉まったままの商店街に出会う。東京近郊のバブル期に開発された新興住宅地の人影はまばらで、気合いを入れて導入された新交通システムが幽霊のように目に飛び込んでくる。車を走らせると、パチンコ店、飲食チェーン店それと中国製品主体のディスカウント・ショップばかりが目に飛び込んでくる。それもまた間違いない現実である。
「日本的経営」が弾劾され、「世界標準」だと言われて提示された物差しが大手を振って闊歩し、その物差しで、しゃにむに努力したところ、こうしたアンバランスが目立つようになってしまった。局所的な最適解を重視し、それをひたすら追求してきた結果でもあると言っても差し支えないように思う。
日本には「風が拭けば、桶屋が儲かる」ということわざがある。風が吹くと、土ほこりが立ち、それが人の目に入って盲目の人が増える。盲目の人は三味線を弾いて生計を立てる人が多いので、三味線が売れる。三味線が売れると、そこで使われる猫の皮の需要が増え、捉まえられて殺される猫が増えて、猫が減少する。猫が減少すると、猫を天敵とする鼠が増える。鼠は、その歯を研ぎ澄ますため、桶をかじる。それで新しい桶の需要が増えて、桶を提供する桶屋が儲かるというつながりである。因果関係を大きく広げて、それを面白く説明したものである。
さらに仏教には「因果応報」――― 前世の行為の結果として現在における幸不幸があり,現世の行為の結果として来世における幸不幸が生じるという考え方もある。
こうした心構えを忘れなければ、いわゆる「世界標準」を盲信することもなく、少しは違ったのではないかとやや残念に思うのだけれども………。
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当研究所は1990年の発足以来、事業経営に関する調査・企画・立案及びコンサルティング業務を中心に、各種レポートの発行からシステムの受託開発に至るまで様々な業務を展開してきている。問題に応じて様々な分野の人々と柔軟かつ有機的に連携しながら、処方箋を示し、必要に応じて問題解決のために参画して行動する「アクション・シンクタンク」として活用するするようになっている。
事業計画や財務計画策定・コンサルコンサルティングおよび実施支援、企業評価・技術評価の実施、知的財産権問題に関する調査・コンサルティング、新規ソフトウェアなど各種技術開発のコンサルティングおよび開発受託、環境問題に関するコンサルティングなどを含め、さらに展開を広げたいと考えている。従来にも増して、関係各位のご指導、ご鞭撻を賜りたく、お願いする次第である。
(追 記)
本音を吐くと、僕は今は個人としては「エッセイスト・数学者・京都大学名誉教授」と紹介されている1928年生まれの森毅氏の気分に近くなりつつある。
「時代も人生もいろいろ変わっても、なんとかなるものだというのが老人が若者に与えられる唯一のメッセージ。ゆとりを持つのが安定によるとは思わない。安定を求めてゆとりをなくしている人がいかに多いことか。ゆとりは安定から生まれるものではなくて、自由から生まれるものだ。安定と自由とは逆のベクトルで、安定が過去の維持なら、自由は未来への冒険。老年の自立で自由人になったからには、老後の安定よりは老後の自由」(「自由の風」)
「ともかく面白がらないことには、時代の風景は見えてこない」「風景なんて、なんの役にもたたぬ。その役にもたたないものが歴史を動かしている。機能ばかり考えていると、目的を達成するように計画した能動的行為に重心が向かいがち。風景を感ずることができる能動的存在になることを忘れてしまう」
「集中力というのは、世界を閉じてパワーを集中するもの。アイデアは、世界を開いて風景と同化したときに来る。集中力よりも分散力」「自分も含めて歴史の季節のなかでこの風景を眺めてみる。ぼくは自分ではけっこう現実主義者のつもりで、現実を非現実の目から眺めることのできるのが現実主義というものだ。自分を風景の一部としてとらえることができてこそ、現実主義者」(「風景と季節」)
「それをもたらしたのは、情報化であったり国際化であたりするかもしれぬが、単に時代の耐用年数がつきたということだろう。これから新しい時代が始める、と思ったほうがさっぱりする。価値観の変化と言ったって、昭和初期に戦後に高度成長と、3度の変化を経験したことだし。時代が変わるときには、早めに考え方を切りかえた方がいい。新しい時代というのは、それだけでも希望なのだから」(「やっと戦後が終わる、のか?」)
(森 毅著「時代の寸法」文藝春秋社より)
さらに森氏の言葉を借りれば、そのまま書名にもなっている「ぼちぼちいこか」(実業之日本社)も好きである。「ぼちぼちいこか」ということで、時代の風と、時代との距離感を感じ、それを楽しみながら、これからもやっていきたいと思っている。ご支援をよろしくお願いします。
戦略経営研究所(株式会社 エス・ケイ・ケイ)
代表取締役 前田勲男 2008年1月
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上智大学アンコール遺跡国際調査団
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「アジア知財情勢(月刊)」(井口雅文)
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